忘れられなくて

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    ------ じゃあ一年後に志野高で。 その言葉からまだ二ヶ月もたって無い。 …海斗… あなたの心が読めない。 あなたの心が分からない。 何故私は、【別れ】を受け入れてしまったのだろう? 好きなのに。 こんなにも好きなのに。 あなたの事、これからも好きでいたいよ。 まだ好きでいたいよ。 もっと素直になるからさ。 ちゃんと『好き』って言うからさ。 名倉花乃が好き? いいよ、それでも。 あなたが誰を好きでもいい。 私を好きになれないならそれでもいい。 もうそれでもいいから。 海斗が好き、 海斗が好き、 あなたが好きなの…… 忘れるなんて……無理だよ。 ……出来ないよ。 [西川駅向かいのカフェにいるから来て] メール送信後、携帯の電源を切る。 西川駅は、加賀中学校区である高田駅から一つ目の駅。 志野高への最寄り駅。 部活に向かうためにここまで来たけど、 とてもテニスをする気力が無い。 クラブでも部活でも、サボりはこれが初めてだ。 私は目の前のコーヒーを見つめながら、 電源の入ってない携帯を握りしめていた。 そして不規則な間隔を開けて、止まっては通り過ぎる電車に時折目を向けた。 その度、改札口に海斗の姿を捜しては落胆した。 『お願い、来て』 それだけだった。
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