恋心

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玄関の扉を開ければ、ほら、今朝もあいつがいる。 「遅い。」 人の姿を見たかと思えば、開口一番文句を言われた。 自転車によりかかって、こっちを見てる、私の幼馴染。 夏の日差しに制服のワイシャツの白が妙に眩しくて、思わず目を細めた。 頬まで熱くなるのは、夏のせい。 きっと。 たぶん。 ……絶対。 「遅くない。」 口をとがらせて、せめてもの反抗。 全く我ながら可愛げのない。 でも、気づいてほしい。 この微妙な乙女心。
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