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裏を向いたまま携帯の背中のイルミネーションが紫に光ってる
この光……
ディスプレイに表示されている発信者は「悠太」
私は慌てて電話を取り、通話のボタンを押し耳に当てる
『もしもーし』
あぁ、悠太。
悠太の声だ、生きてたんだ。
安堵し、胸を撫で下ろしたとたん涙が溢れ返した。
でも、それだけじゃダメ、安心してる場合じゃない
悠太には生きて欲しい
逃げて欲しい!!
「ア……」
せめてもの言葉、伝えようとした「逃げて」の声が出ない。
「ウフフ……アハハ!アハハハ!!」
笑い声の正面に目を戻す
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