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「何か疲れてんの?」 職員口で上履きに履き替えている俺に 話しかける生徒はほとんどタメ語。 『歴史バカ』が散々…歴史を大学で学び、 選んだ就職先は学校。 教職試験を受けて…狭き門を通った時は 真剣に嬉しかった。 生徒たちに慕われるそんな先生を目指そう…と思った。 嘘じゃない。 だけど、そのやる気も…勤務3年目…24歳の俺には、 すっかり空っぽで… いかにそつなく…進級させ、卒業させる…のみ。 愛想笑いも全くないと思う。 木札で出勤の確認… タイムカードなんてものは無く、 サービス残業の悲しい性。 やった分だけ結果が見えればやる気も出るが、 日本史…世界史のテスト…赤点率は 他の教科に比べてダントツ一位。 教務主任のじじい先生に睨まれる始末だけど… 俺だけが悪いわけじゃないよね?
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