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目の前には何もなかった。 ただそこには闇が広がっている。 何もないのだ。 そう……俺にはなければならない“それ”がなかった。 いつしかその『ないこと』は当たり前になっていた。 だから俺はそれを受け入れた。 『ないこと』が正常なのだと。 だから俺は、本当に愚か者のままだった。
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