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「尾畑智は成績不振の為、攻撃(詠唱魔法)Bクラスの雑用係に任命する。」
俺は、頭の中では分かっていても実際に現実を突き付けられ、意識を失いそうになった。
「分かったか?
Bクラスでの落ちこぼれはお前ってことだ。つまり、この学年で詠唱魔法を学習している中ではお前は最下位なんだよ。」
俺は、何も言えなかった。
「やめなさいよ!!」
すると聞き慣れた甲高い声が聞こえてきた。
あいつだ…。
「出たな。高里。
普段、争いごとには首を突っ込まないくせに、尾畑が絡むと必ず止めに来るよな、お前。」
「何が言いたいのよ?」
「お前さ、こいつのどこが好きなんだよ。
見た目もパッとしねぇし、成績も悪い。こんな奴より、俺の方がいいぜ。」
そういいながら高宮は高里の腰に手を回す。
「触らないでっ!!
智とは幼なじみなだけよっ!!
それ以外のなんでもないわ。
私は、あなたがムカつくだけよ、高宮。自分より下の成績の人ばかりに自分が上ってことをアピールして、ウザいのよ。」
「んだと………!!
上等だ、喧嘩売ってんだよな、千鶴!!」
高宮の奴、顔が真っ赤だ。
「気安く下の名前で呼ばないで。
虫酸が走るわ。」
「お前、成績良くてちょっとスタイル良いからって調子乗んなよ。」
「どっちがよ。」
「もう怒った!!
中庭に来い。俺とバトルだ。
俺が勝ったら、お前を奴隷にしてやる。」
話が飛んでるなぁ………
「あっそ。
じゃあ私が勝ったら、院長にあなたを退学にしてもらうわ。」
「ふん、どうせ俺が勝つから関係ねぇ。」
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