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と言っても、その当時の消費税率は上がった時点でもわずか10パーセントでしかなかった。しかし買い控え、消費者の自宅への引きこもり傾向が強まり、その結果企業の物やサービスは売れなくなった。
政府の消費税からの税収は大幅に増えたが、法人税と所得税からの収入は激減。トータルでの税収は大幅なマイナスになり、政府の財政状態はかえって悪化した。際限なく増え続ける財政赤字を何とかしようと、与野党はまた談合の末消費税率を20パーセントに上げた。
この頃から庶民に自衛の動きが出始めた。いくら消費税払いたくないから物を買わないと言っても、毎日の食料品など買わずに済ますわけにはいかない物が多くある以上、庶民の抵抗など限界がある、と政府は高をくくっていた。
しかし、庶民の知恵の方が政府の悪知恵を上回った。消費税というのは通貨、すなわちお金を払って何かを買うから支払い義務が発生する。ならば金を払わないで必要な物を手に入れればいいのではないか?
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