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庶民は物々交換で生活物資を手に入れる工夫をするようになった。最初はゲームソフトとかパソコンの部品とか、そういった商品と食料品を近所で交換するという程度だった。だが化学肥料の輸入価格高騰に苦しんでいた一部の農家がこれに目をつけた。
都市部の一般家庭で普及していた、台所の生ごみをコンポストという肥料に変える装置を持っている家庭に、コンポストと米、野菜などとの物々交換契約を申し入れたのである。最初は地方都市のほんの一部の家庭が応じたに過ぎなかったが、これが上手く行ったため大都市圏でも追随者が激増。
週末には登山用の馬鹿でかいリュックにコンポストをいっぱいに詰め込んだ都市住民が電車にギュウギュウ詰めになって農村へ通い、帰りには米や野菜を同じリュックに詰め込んで家に戻るという光景が普通になった。
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