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私は訓練室を後にしてロビーに出る、そこはギルドに所属している人たちの憩いの場、まぁただお酒が飲める場所ってだけなんだけどね。
「あっ!副長!お疲れ様です!」
「お疲れ様です!」
「今日も圧勝でしたね!」
色んな所から挨拶される、私にとってこれは日常の一部。副長って呼ばれるのはこのギルドが隊分けされているから、下から五番隊、四番隊、三番隊、二番隊、一番隊、そして特殊な事態が起こったときだけ動く零番隊、ギルドに入るとまず五番隊からスタート、そして実力に応じて上がってくる、最後が一番隊、零番隊は各隊の隊長と副隊長で形成されてるの、私は一番隊副隊長、だから副長って呼ばれてる。
「しかしあの師団長も馬鹿だな!」
「副長に勝てるやつなんて、世界中探してもいないもんな!」
私の上司を差し置いてそれはどうかと思うけど…
「アキちゃん」
「ミミ、どうしたの?」
「さっき言うの忘れてたことがあってね、総長が呼んでるわ♪」
総長…隊長が呼んでるか、いい話じゃなさそう
「わかった、ありがとう」
総長ことカイ・アトラス、ミミの祖父であり世界で五本の指に入る実力者。私苦手なんだよなー…
目の前には大きな扉がある、カイの総長室だ。
「アキ・メザイアです」
「入りなさい」
中に入ると緊張が走る、カイの放つカリスマ性が他の者を支配するからだ。
「アキよ、今日呼んだのは他でもない」
鼓動が速くなるのを感じる、生唾を飲み込んだ音がとても大きく聴こえた。
「アキ…彼氏はできたのか?」
危うく…コケそうになったわ。
「そ、総長!そんな事を聞くために呼び出したのですか?!」
「いやなに、ワシの後継者となるであろうヌシを心配するのは当たり前じゃろうて」
「自分の孫より私の心配ですか」
「ミミは出来た子じゃから心配は無用じゃ」
私は出来た子ではないと
「それに、後継者は気が早すぎです」
「何を言っておる、もうワシなんか圧倒する実力を持ちおって」
「いえ、私はまだ総長の足元にも及びません」
私には総長のようなカリスマ性は持ち合わせていない、そこには圧倒的な差があると思っている
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