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芽々は、家の手伝いが忙しくなったせいで大学にもたまにしか来ていない。そんな人間をいきなり呼び出すのも気が引けるし、あいつ、怖いからな。あまり迷惑はかけたくないんだ。
それでも、なにもやらないよりはマシだろう。明日は土曜日で俺がバイトだが、千博との連絡も取れるようになるはずだ。とりあえず今はコレを家に持ち帰って ……。
「……?」
俺が凝視したからか、人工知能プログラムはまた小首を傾げる。その仕草は本当に人間味がある。が、
こいつは機械で鉄の塊だ。そんなの俺が持てるか?
なめるなよ、不可能だ。
「ついてこい」
開き直って命令口調だ。情けないぜ俺。
「かしこまりました」
良かった、ここでお断りされたらどうしようかと思っていたんだ。思わず安堵の溜め息が漏れ、
「溜め息を吐くと幸せが」
「この溜め息では逃げないと思うぞさすがに!」
めんどくさい! コレ、結構本気でめんどくさいぞ!!
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