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アンニュイな気分になってしまったが、とりあえず未だ電話に出ない千博と芽々に現状をメールで伝えてから、返信待ちついでにエロゲを起動させる。この前千博が貸してくれた物だが、積みゲーしてたのを今ようやく開封である。
さてと。今回はどんなヒロインだ?
ふむふむ、登場人物は幼なじみと学級委員と妹と陸上部仲間の娘か。
――とりあえず、妹だな。
狙うルートを決めて取り掛かろうとしたら、芽々から返信が来た。
『それ本当? とりあえずこの土日と来週の月曜もアタシは出られないから、それまで本体は弄らないで』
とりあえず、解った、と返信はするが、言われなくても弄らない。なんかあったら怖いし。
『機械人形だからって変な事に使わないでよね、臭くなったら困るからさ』
「するわけないだろうがっ!」
思わず携帯を投げてしまった。ぶつかったのが布団で良かった。
気を取り直して、ゲーム再開だ。
――そして数時間が経ってようやく妹が攻略可能キャラじゃないと気付いた俺は負け犬以外のなんだというのだ。なんとか他のキャラのグッドエンドにこじつけたが、その表示が俺には敗北宣言にしか見えなかった。
もういい寝る! 千博からの返信は未だ来ないし明日はバイトだからあまり動けなくなるけど、そんなこと知るか! とりあえずこのゲームの制作会社には今度苦情の手紙を送りつけてやるからな!
そして布団を敷いて電気を消して布団に入ったら、腹の虫が鳴くような音が耳に触れた。晩御飯は食べたはずなのに。
しかし俺は貧乏学生だ。腹の虫が鳴いたからと言って空腹は感じないし、節約もしなければならない。だから今は我慢して、さっさと寝る事にした。
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