動作不良か亡霊か

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 ◇◆◇◆◇  俺達が作っている人工知能プログラム及び人工感情は、簡単にいうとドラえもんだ。あの起伏豊かな、ロボットとは思えない独立した思考を持っているロボット。まさに便利道具を出さないドラえもん。  夢のまた夢だと思われるかもしれないが、なんとなく、出来ない気がしなかった。  今だって、実は結構良い線行ってたんだ。しかし、搭載していたハードが機能に対応仕切れずヒートした。つまりハードさえなんとかなればそれらしきものができるはずなのだが、 「スーパーコンピューター並みのデータ受容量が必要だな」  計算しなおして愕然とした。  本当に感情を作り出すということが不可能だなんて事はよくよく理解している。だからそれらしきものを作り出すわけだが、一定の行動パターンを組み込んだだけでもかなりの容量が必要になった。  だからそのデータをロボット本体に搭載したら読み込みだけでヒートしてしまったのだ。  というわけで、本体にそのまま搭載する選択肢が無くなった以上外部から接続するしかない。  俺と千博はロボットと俺のパソコンを無線で接続する作業を終えて、ラボから出た。 「やっぱりっつうかなんというかさぁ……こうなんのかよって話な」  ふてくされるように先を歩く千博。 「行動パターンはネット上から検索するシステムだな。これが一番現実的だが、行動の度ロードするタイムロスはなんとかしたいな」  そんな話をしながら、千博はバイトがあるからと先にバイクで帰った。俺はこのまま徒歩での帰宅だ。  歩いて20分。そんな遠くは無いが、研究に明け暮れてたまに息抜きでエロゲをやってるだけの俺にはなかなか辛い道程と距離だった。  大学に通いはじめて3年。ようやく少し慣れてきたが、所詮引きこもりの俺には徒歩さえ運動になる。秋風そよぐこの季節にも、汗をかいてしまうほどに。
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