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「とにかく、少し落ち着け」
「かしこまりました」
人工知能プログラムは、俺の要求を勘違いせずに頷いた。
「まずは、だ。俺の質問に答え欲しい」
「お断りします」
「ひとつ、お前は俺達が作った人工知能プログラムで間違いな――今なんて言った!?」
「お前は人工知能プログラムで間違いな。と言いました」
「俺がじゃなくて、お前がなんて言ったか聞いたんだ!」
天然過ぎる! なんかもうめんどくさくなるぐらいに! もはやわざとだろ!
「…………」
脈絡を失い急に黙りこむ人工知能プログラム。
「とりあえず、今から俺がする質問に答えてくれ」
話をややこしくすると絶対勘違いするだろうから、ストレートに聞いた。
だが、
「お断りします」
「頑な!?」
質問全般を受け付けないということか!? 状況が全く飲み込めてない俺からしたら理不尽過ぎる!
「…………」
流石は推定誤作動で動いた人工知能プログラム。色々とおかしい点が多い。
少し、試してみるか。
「お前はなんだ」
「人工知能プログラムです」
あれ、普通に答えた!?
「なら、何故ここに居る?」
相手は機械なのだから意味は無いが、なんとなく動揺を隠しながらさらに問う。
「ちょっと待ってくれ様を探して参りました」
ちくしょうこれは不愉快だ! まずは呼び方を変えさせなければ。
「俺の事は、啓吾と呼んでくれ」
名字だと流石に他人行儀過ぎると思って、妥当な線を突く。が、
「お断りします」
「なんで!?」
バグってませんか!? これ、普通にバグってませんか!?
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