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鐘の音が鳴り響く。 その音にはっとして、携帯の時計を見るとすでに7時30分をまわっていた。 特別何をしたわけでも、沢山話したわけでもない。 けれど、目の前の彼といる時間は私にとって心地良かった。 そんな時間はあっという間に過ぎるもの。仕方ないよね。 「あー、残念」なんて彼が呟く。 私と同じ事思ってくれてたらいいな、なんてちょっぴり思ったりして。 ……そんなはずないけど。 「……時間みたいですね」 「うん、そうだね。 それじゃあ行こうか」 「あ、はいっ」 彼は窓の戸締りを確認すると、机に置いてあった私の荷物をまるで自分の物であったかのように自然に手にし、多目的室から出て行った。 一瞬戸惑ったけど、彼について行かなきゃまた迷子になる。 「――――――っ~」 焦って飛び出した私は、廊下で待っててくれた彼にぶつかり、情けない声を出してしまった。
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