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私は今、教室にいる。
廊下側の一番前の席。隅っこだけど、ここが新しい私の居場所。
有森瑞希(アリモリミズキ)、これが私の名前。
“あ”から始まるから、最初はいつもこのあたりになる。
あの後、教室に行くまでに彼について分かった事がみっつある。
ひとつ、彼の名前は真壁碧(マカベアオイ)だという事。
ふたつ、彼には椿(ツバキ)という名のお姉さんがいるという事。
そしてもうひとつ。
「ほんと、今年も碧くんと同じクラスで良かったー」
「ね!今年も幸せな1年になりそう」
そう。
沢山の女の子に囲まれている彼、真壁くんと同じクラスだという事。
確かにモテるだろうとは思ったけど、教室に着いた途端に女の子に囲まれるとは。
……真壁くん、凄い。
真壁くんの席は私とは反対側の窓辺の一番前だから、女の子達が集まっているのが視界に入る。
ぐるっと周りを見回せば、どうやら各々グループが出来ているらしくて。
どうしようか悩んでいた時、教室に入ってきた女の子と目が合った。
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