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音楽室とは向かい側にその部屋はあった。
どうやら、“多目的室”という部屋らしい。
僅かに扉が開いていて、その事に私は安堵する。
……たぶん、いや絶対誰か居る。と思う。
とは言え、見てみない事には始まらない。
恐る恐る覗いてみると、中には男の人が1人立っていた。
「……っ、あのっ!」
人が居た事が嬉しくて、思わず大きな声を出してしまった。
怖い人だったらどうしようとか、さっきまで考えてたのに。
安心感って怖い。
私の声に反応して、彼は私の方を振り返り、返事をするより先に私を手招きする。
「おいで」ととても優しい声が聞こえたような気がした。
その手に導かれるように、私は彼に近づいていった。
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