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考え事をしていたら、何時の間にかボーッとしていたみたいで。 目の前の彼が、不思議そうに私を見ているのに気がつく。 こんな綺麗な人、見た事ないからさっきから手汗が収まらない。 「教室まで連れていってあげようと思ったんだけど、何年生?」 「あ、そうなんですかっ、ありがとうございます! 紙に2年4組って書いてあったので、多分そこです」 「そっか、同じだね」なんて彼が呟いた。 クラスが同じなのか、学年が同じなのかどっちかは分からないけど、どちらかが同じなのかは確かみたい。 「あの、ここで何をしてたんですか…?」 「今は内緒。 でもすぐに分かると思うよ」 一番気になっていた事を問いかけると、彼は自分の唇に人差し指を当て、そう答える。 その仕草は、少女漫画に出て来る王子様みたいで…少しドキッとした。
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