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「どうぞ、ごゆっくり。」
「あ、あの‥」
一人にされると思ったのか、彼女が不安そうな目でこちらを見つめてきた。
「メニューとって参りますので。」
笑顔で対応した。
もうこの仕事を始めてから2年が経つだろうか。
笑顔というものがもう癖になっていた。
裏の顔は、無で冷酷なのに。
表の顔は、笑顔で明るい。
まるで二人の人間を生きてるみたいに感じる時がある。
「何に致しますか?」
「えっと‥じゃあ、カミカゼを一つ。」
「承りました。」
「カミカゼを一つ。」
まさにそう言って俺も少しだけお酒やグラスを出したりと手伝いをする。
すると自然に聞こえてくる、客とまさの話し声。
「僕も最近気になる人が居るので、その気持ち分かりますよ。」
気になる人ー
うそ・・・
ーパリン
グラスが手から滑り落ちて割れた。
「いたっ!!」
「かず!!大丈夫?!」
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