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Side.優 「あの‥っ」 黙っていたまゆみちゃんが奥からカウンターに向かって歩いてきて、言いづらそうな顔で言葉を発した。 「どうされました?」 「新野さん‥追い掛けてあげて下さい。あの、わ、私たちはもう今日は帰りますから。  だから‥慰めてあげて下さい。」 たどたどしい形だったけれど、それは俺が今一番欲しい言葉だった。 「‥いいの?」 「私も全然大丈夫ですよ!!」 かなちゃんも許可を出してくれた。 凄い優しいお客さんだな。 「ありがとう。埋め合わせは必ずするよ。だから必ずまたラブカフェに来てね。次来る時は前もってここに連絡してくれたら、ご予約済みって形でとびっきりのフルコースをプレゼントするから。」 そう言って、ラブカフェの場所と電話番号が書かれた名刺を渡す。 「あ、ありがとうございます!!」 「また絶対来ます!!」 そう言ってくれたかなちゃんとまゆみちゃんに優しく微笑んで、将ちゃんを呼ぶ。 「将ちゃん!将ちゃん!!お客様送ってー!!」 「はいはーい。」 将ちゃんが急いでこちらに向かって走ってきた。 「宜しく将ちゃん。 かなちゃん、まゆみちゃんまたね☆」 そう言い残して俺は二階のかずの部屋へ向かった。  
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