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side.径 「はははっ!そうなの?」 将くんの笑い声が響く。 「うん。私がミスしちゃって。」 「ん?大丈夫だよ。」 そう言って女のお客さんの頭を撫で撫でする。 すると女の子は顔を赤くして将くんに微笑んだ。 将くんも優しい微笑みで返す。 さっきからずっとこんな調子だ。 将くん‥そんなに女の子がいいの? いつもはあまり気にしないオイラも、今日は今話している女のお客さんへのデレデレ具合が以上だから少し気になる。 「大丈夫だよ?ね?」 そんな言葉オイラ以外に言ったこと無かったのに。 なんで‥ 嫌だ。いやだよ、将くん。 「将くん‥」 うるうるした瞳で将くんを見つめる。 やめて。 そんな瞳で将くんを見ないで。 将くんのこと、下の名前で呼ばないで。 醜い嫉妬の感情が心の中を渦巻く。 「なっ?!//」 女の子が将くんに抱きついた。 将くんはほんのり頬をピンク色に染めてあたふたしている。 「はるか?」 下の名前で呼ばないで。 なんで呼び捨てなの? やめてよ。 将くん。 オイラのこと見てよ。 やめて。 もう嫌だよ‥ 「もう、将くんなんてきらい!!」 気が付いたらそう叫んでいた。 厨房にいた百合も、カウンターに座っていたお客さんも、将くんにくっついている女の子も、皆驚いてオイラの方を見た。 「そんなにその子がいいなら、付き合えばいいよ!オイラは知らないから!!」 こぼれ落ちそうになる涙をぐっとこらえて将くんに向かって叫んだ。 「なっ!!径くん、誤解だって!」 将くんは焦っている様子だったけど無視してオイラはラブカフェを飛び出した。  
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