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「こんなことなら、径くんにはるかをさっさと紹介しとけば良かった。」 「はるかが紹介して欲しいって言ってるのに、お兄ちゃん全然してくれないんだもん。だからちょっと意地悪しちゃった。えへへっ」 はぁ‥ 笑い事じゃないよ。まじで。 「もういい。はるか、今日は帰れ。今度紹介してやるから。」 「なっ!!!何でよ!今日紹介してよ!」 本当に相変わらず面倒な妹だ。 「お前、本当にふざけんなよ。俺を怒らせる前に出て行け。」 「なんで‥なんでそんな言い方するの?」 少し鼻声になったのが分かる。 泣きそうなのか。 ーぽんぽん 頭を軽く撫でてやる。 「落ち着いた?」 「うん。」 目をほんのり赤く充血させて、俺を見上げた。 「あのな。いつも言ってるけど、俺に嫌がらせするのは別にいいよ。でも、径くんにするな。何回言えば分かる?」 「分かんないよ。だって‥ぅ、ふぇ‥っ」 「あー!悪かったよ。少し強く言い過ぎた。泣くなよ。な?」 本当に昔から泣き虫なところは変わらない。 「和葉、妹を宜しく。」 こんなことしてる場合じゃない。 早く径くんを追い掛けないと。  
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