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ドタバタドタバタ
こちらに向かって猛スピードで走ってくる彼らの足音が聞こえる。
「まさっ!いい加減にしろよ!」
「百合がシたいって言ったからしただけじゃん!」
は?
"シたい"って言った?
今。
「お前‥!変な言い方やめろよ!俺はただ、"準備がしたい"って言ったんだ!!」
顔を真っ赤にして、怒る百合。
「まさ、怒ってる百合は放っといて準備しましょう?」
笑顔でまさに話し掛けたのはもちろん私だ。
こんな所でまさを穫られる訳にはいかない。
「で、でも‥」
優しいまさは放っとけないんだよね。
そんなの分かってる。
何年幼なじみやってると思ってるんですか。
「まさ‥かず、一人で準備するの?」
目に涙を溜めて下からまさを見上げれば、完璧だ。
まさは昔からこれに弱いから。
「ーっ!//手伝う!ごめんね、かず。」
そう言って私をぎゅぅうって抱き締める。
「ぅん‥大丈夫。」
やった。
今日は私の勝ちだ。
百合を見ると、悔しそうな顔でこちらを見ている。
私の鳥川さんだよ?
百合には絶対渡さない。
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