過ぎゆく日々の中で

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家に帰ると、台所からおいしそうな匂いが溢れている。 母親が夕食の準備をしていた。 「ただいま」 「おかえりなさい。今日も動物園に行ってたの?」 「うん」 「本当に好きね。でも、あなた他にやることがないの?」 「別に・・・」 チカは不機嫌そうに答える。 「もう・・・。高校生なんだから、しっかりしてちょうだい。 部活はしなくても、そろそろ受験も近いでしょう」 「ご飯ができたら呼んでね」 チカは会話を遮って、自分の部屋へと逃げ込んだ。
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