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この葬儀で泣いているのは私だけだという事に気付いてはいたけど、私は涙を止められなかった。 楽しそうに談笑しながら食事をしている親戚達は涙を見せずただ平然としている。 十分悲しんだのかもしれないけど、もう少し泣いてくれてもいいんじゃないかなって思う。 棺の中で静かに眠っている母は死ぬにしては若すぎる年齢だ。 もっと一緒に居ればよかった。 「・・・しばらくは、立ち直れないな」 私、線香の香り・・・苦手だわ。 来て頂いた人達にあいさつをして私はその場を後にした。
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