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「ここはこの公式を使って・・・」 数学の授業中、私はずっと外を眺めていた。 先生の言葉は耳に入ってこない、ただの雑音。 「なんか…つまんないな~」 誰にも気が付かれないような声で呟いて思った。 私が一番つまらない人間なんじゃないか? つまらない女 元カレは私をこう呼んだ。 高校一年生。 恋人なし。 成績は中の中と微妙。 顔も美人ではない。至って普通。 こんな何の取り柄もなく、残念な私は 澤村綾芽(さわむらあやめ) という。 平凡で、将来の夢すら持っていない私は一体何がしたいんだろう。 時々自分の未来を想像すると怖くてたまらない。
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