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「うるせーな」
静かに座席に座っていた生徒の中でドスの効いた声を発した男子生徒。
その声に驚いた生徒たちは押し黙り、廊下に出ていた生徒も急に静かになった教室内を覗くためにか戻ってきた。
「とりあえず、担任が来るまでおとなしくしていようぜ。俺、うるさいの嫌いなんだよ」
「わ、悪かったよ、アセビ」「ごめんなさい」
アセビと呼ばれた生徒が教室を一瞥すると、素直に従ったほかの生徒。
「あんだよ、アセビ。ちょっと有名だからってもうリーダー気取りか?」
最初に話し出を切り出した男子生徒が、イスに座りながらも憤った声を上げる。
「そうだな、お前みたいな三下よりはリーダーの素質があるかもな」
体全体から鈍色の光を発しつつ、アセビは言った。
「お前の能力は知ってるんだよ、アセビ。お前は所詮、防御型だろそんなのがリーダー格なんて笑わせるなよ」
男子生徒は薄ら笑いを浮かべながら言った。
「防御型なぁ、そんな区切りは他人が勝手につけた区切りだろ。試してみるか?」
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