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「よし、さっきの閃光で敵が俺たちを見つけただろう。索敵範囲を広げて、迎撃体制を整えろ」
偉そうな男の一言で、隊員たちはすぐさまバギーから機材を降ろし、荒野のど真ん中に索敵用アンテナを立てる。そのアンテナに二人の隊員が立ち、能力を使って敵を探し出す。
「発見しました。距離800m圏内に、敵の小隊3つです」
「オルレア、攻撃態勢」
オルレアと呼ばれた少女はゆったりとした動作で右腕を上げる。それとほぼ同時に二の腕あたりが発光する。
「方向はッ」
隊員が指示を出そうとした瞬間。オルレアの腕が強い反動で持ち上がり、先ほどと同じ閃光が荒れ果てた大地の乾燥した地面をえぐる。真っ直ぐに地平線へとのびる閃光、その数は4つ。
「おい、撃つときは、声をあげろッ」
近くにいた偉そうな男が耳鳴りを抑えようとしながら、フラフラと大地を抉った少女の肩を掴む。
「250m先に隠密系の異能者と、移動能力に長けた編隊がいたので攻撃指示通り消滅させました」
オルレアは淡々とした言葉遣いでそういうと、焼け焦げた右手の平をさする。
「うるさい、口答えするな。次からはわれわれの指示通りに行動しろ」
「……わかりました。あなた方の指示を待ちます」
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