第1話 南西の死神

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「それでいい。では、この辺り一帯の敵をもう少し排除した後、この先の敵占領都市の攻略に移る」  偉そうな男の指示で隊員たちは再度、索敵に戻ったり、近くの機材の調整に入った。  オルレアはポケットから小さなアメを取り出すとそれをおいしそうにほお張る。その一瞬に見せた笑顔を偉そうな男含め、他の隊員たちは誰一人としてみてはいなかった。 「隠密系異能者、1人。他異能者、1人。他隊員、7人。距離870m」  アメを舐めるオルレアのモゴモゴとした言葉に耳を傾ける者はいない。  乾ききった大地の土は舞い上がり、地平線には朦々と土煙があがる。  オルレア以外には敵の存在に気がついていない。 「また、1人になるのかな」  命令は待機。  オルレアはおいしそうにアメを舐める。
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