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第2次異能戦争は終結した。
彼らは戦争に出るための教育を受けた異能者で、3日前異能者専用の隔離空間【レベル7】に学園生活と銘打ったカリキュラムの元、制服を着て毎朝同じ部屋に集まり、世界平和にその異能を役立てるための訓練をするため収容されたばかりだ。
今日はまだ学園生活3日目ということで、各教室ごとのレクレーション期間であり、彼らはこれから始まる校内放送を待っている。
「それにしても、戦争が終わってからここに入れられるまでに1週間もかかってないって、みんなどう思うよ」
「それは俺も考えたぜ。どう考えても対応が早すぎるよな」
南西の死神の話を切り出した男子生徒がいるグループが少し大きな声を出し、教室内にわざと聞こえるように言った。
「思うんだけどな、各国は長引く戦争のせいで国費がなくなってきて、どうしても終結させたかった。だけど、異能者の数を減らせば一瞬で国を乗っ取られる。だから、俺ら全員を一箇所にまとめて、管理と抑止ができる施設を作ったんだ。んで、全世界で条約を結び、俺たちを監禁。後は粛々と軍備を減らしていこうって魂胆なんだぜきっと」
「つまり、ここはゴミ箱か……」
他のグループの男子がそういうと、教室は一瞬静けさに包まれる。が、すぐにヒソヒソとした話し声で埋まり、いつしかさっきと同じ状態に戻る。
「ああ。俺たちは国に作られて、国に捨てられた孤児なんだよ」
最初の男子生徒は他の生徒に聞こえないように小さくつぶやいた。
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