白狼の巻

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「貴方の師を倒した者の名は、ヴァン。聖天六将の一人。聖天覇皇拳を使い、白狼双牙聖拳と黒狼双牙神拳の師を倒した男。かつて、私は貴方の師を守るために対決した時、奴は自分の力を半分しか使ってなかったと思う」 「何故、本気でしてなかったと?」 「奴の拳法は聖天覇皇拳で、私の拳法が聖天飛炎拳(せいてんひえんけん)。奴は、聖天六将を失う事を恐れたのだろう。聖天六将は、それぞれの死命がある。私の聖天飛炎拳は白狼双牙聖拳の伝承者を守る事。聖天覇皇拳は、世を統べる事と他の拳法を封じる事だと思う」 「他には?」 「聖天雷塵拳(せいてんらいじんけん)、聖天風魔拳(せいてんふうまけん)、聖天獣氷拳(せいてんじゅうひょうけん)、聖天光皇拳(せいてんこうおうけん)」 「じゃあ、その中の死命とは?」 「雷塵拳は、黒狼双牙神拳を止める役割で覇皇拳の守護だったはず。風魔拳は、光皇拳の守護。光皇拳は聖天最後の将と呼ばれていて、光皇拳の伝承者を失う事は、聖天そのものが滅ぶと言われている。後はわからない」 「じゃあ、何故聖天の拳法はそれぞれを反発させる仕組みになっているんだ?」 「それは、聖天六将の師達が始めた闘いがあったからです。唯一、我が飛炎拳の師は闘いに参加しなかった」
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