白狼の巻

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リュウと黄臥は一歩も譲らない状態だった。 「さすがだな、ロウが教えただけあるな。リュウよ! 次の奥義で決めさせてもらう」 「黒狼龍牙拳 奥義 轟龍波(ごうりゅうは)!!」 「白狼双牙聖拳 奥義 狼虎天翔(ろうこてんしょう)!!」 二人は同時に攻撃をした。 (うっ!? ぐはぁっ) 黄臥は血を吐き、そして地面へ倒れた。 一方、リュウは右膝を地面についてその場に立ち尽くしていた。 「リュウ。貴様は強い、だがあのお方はさらに上を行く人だ。私も最早ここまでか、刺し違えても貴様を止めるつもりだったが、私の拳は衰えていた。最後は拳士として、あの世に行こう」 黄臥は、自らの拳で自分の気孔をついて安らかに眠った。 リュウは天に旅立つ黄臥を一人の拳士として、あの世に行く所を見送った。
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