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「…そういえばさ。」
野菜を切りながら真理さんが口を開いた。
「うん?」
「あたし…神戸行く事にした。」
真理さんの言葉に私の手が止まると
「…紗由ちゃんが背中押してくれたんだ。ありがとう。」
真理さんは笑みを浮かべながらそう言ってきた。
「私は何もしてないよ。」
「う、うん。慣れ親しんだ友達や環境から離れる勇気が持てなくて…不安や心配が消えなくて…。でもあたしがあたしでいる為にあたしがいるべき場所は何処か…ハッキリ分かってくれたから…。それを教えてくれたのは…紗由ちゃんだったから。」
そう言った真理さんの顔が今まで見た真理さんのどんな時より可愛くて…綺麗で…
凄く輝いて見えたんだ。
「ホントにありがとう。」
「私も真理さんにはいっぱい色んな事教えて貰ったよ。私もホントにありがとう。」
私はそう言うと何だか急に寂しくなってきて…
「応援しなくちゃいけないのに…ごめんね。」
やっぱり寂しい気持ちが溢れてきちゃって…。
「離れてても友達は友達でしょ?そう言ったのは紗由ちゃんだよ?」
真理さんも涙を堪えながらそう言ってくれた。
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