偏見

7/22
前へ
/179ページ
次へ
 買い物を終えて、喫茶店に入ることに。ケーキと紅茶を頼んで、お話しをすることに。盛り上がっていたもののいきなり佳代は黙った。 「どうかしたの?」 「凛ってもしかして好きな人ができた?」鋭い目つきで私を見る。驚いて肩がゆれた。 ここはごまかすほうがいいのかな?でも、ごまかせなさそうだ。素直に言ってしまおう。 「いるよ。片想いだけどね」と私は苦笑いをした。佳代は興味津々な表情で私に質問する。 「だれ?教えてよ」 「誰にも教えない主義なんだ」すると佳代はしょぼんとしてしまった。 思わず首をかしげてしまった。 「私のこと、信用できない?」私はすぐに訂正する。 「違う。そんなんじゃないって」 「志乃には言ってるんじゃないの?」私は爆笑してしまった。本人だから言えるはずがない。 「言ってない。誰にも話さないって」 「本当に?」 「本当」やっと納得してしまったみたいだ。
/179ページ

最初のコメントを投稿しよう!

150人が本棚に入れています
本棚に追加