プロローグ

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 「今年からこのクラスを担当する篠原です。よろしくな」青年みたいな感じがする先生だ。けっこう熱血っぽい。 「初めてのことが多いから俺も分からないことが多いけど、そこはフォローしてくれ。お互いに頑張ろうな」  先生の話が終わり、余った時間はフリートークになった。主に先生への質問。 「篠原先生の担当教科はなんですか?」クラスの子が篠原先生に質問した。 「俺は体育だ。もしかしたら、担当しないかもしれないな」 「独身ですか?」 「ああ。恋人募集中」笑い声がクラスに響いた。どうやら、面白そうな先生でもある。  みな、先生の近くにいき色々話をしているみたいだ。中には私のように興味がなく、寝ていたり勉強していたり。いつの間にか志乃が隣に座っていた。 「興味ないの?」私は志乃に思い切って訊ねてみた。志乃は苦笑いをした。 「あんまり。そういう凛だって興味ないくせに」ばれていたか。 「で、人間観察中?」本当にすべてお見通しのようだ。怖い怖い。 「一応ね。まだ分からないけれど」
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