偏見

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 私は就職に向けて、企業に面接を受けに行っていた。私は事務関係の仕事がしたく、小さいながらも立派なこの会社にきた。緊張をしながら私は家に出た。家に出る前に言われた母の言葉。 「出来損ない」耳に残ってしまった。 今は考えない。今は...。私は目的の会社に着いた。受付に行く。 「すみません。私公立高校から参りました凛というものですが、今回御社の採用試験に参ったのですが...」受付の女性の方はにっこり微笑んだ。 「はい。こちらの二階会議室で行っております」 「ありがとうございます」私は素直に礼を言って二階に上がった。  言われたとおり、会議室。多くの人がいた。大学生くらいの人もいた。今回は面接のみ。私はその会議室のいすに座って自分の番を待った。緊張しておなかが痛い。仕事さえすれば、自立さえすれば誰も私の邪魔をしない。 「凛さん」綺麗な女性の声で呼ばれた。 「はい」元気に挨拶をして、隣の部屋に移った。
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