時は梅雨の頃

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時は梅雨の頃

しとやかな霧雨に濡れながら、ぼんやりとする景色を俺は見ていた。 住宅街近くのコンビニと雑木林の合間にある小さな空き地から見えるものといえばたかがしれている。 距離以上に遠く見える家々の屋根と、平坦な土地を区切る灰の壁。 はがれかけたアスファルトの路面と、みすぼらしい雑木の上の染みだらけの曇り空ぐらい。
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