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チャプリ。
液体がなった。
僕は、『ホルマリン漬け』にされてる…………らしい。激しくどうでも良いね。
その、ホルマリンの中で、目を開いてみる。
どれも液体のせいで、ゆらゆら揺れてみえる。
そろそろ外に出てみたいなぁ…なんてね。
そういや、誰かが言っていた気がする。
《何かの意味と夢、たくさんの命が詰まって、それが個体になっているのが人間の身体なんだよ。》
じゃあ、夢を失った人は、身体もなくなるのかな?
そんな屁理屈を考えてみる。
うん、最高につまらない。
あーぁ、暇すぎる。
あとどれくらいたったら、でられるんだろう。
でも、《何かの意味と夢とたくさんの命で詰まっているのが人間の身体》なんだったら、死んでしまった人間にその、《何かの意味と夢とたくさんの命》を詰めたら、また終わった命は蒸し返られると思う。
ふいにドアが開き、中から科学者の顔が覗いた。
科学者は僕の目の前に立ち、こう言った。
「…コノハ、おいで。もうそろそろいいんじゃないか?」
科学者はこちら側へと、手招きをした。
『コノハ』って、僕の事?
ザプリ。
外に出る。
周りを見渡すと、機会のようなものが沢山並んでいて、一人だけ、僕と同じホルマリン漬けにされている女の子がいた。
科学者は口を開いた。
「…僕の話、聞いてくれるかい?」
……どうせ、嫌でも聞かすでしょ。
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