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ん~…ちょっと偵察、といこうかな?
あ、女の子が猫を追いかけた。
ちらり、と右の方を見ると、物凄い勢いで此方へ来るトラック。
さてさて…男の子はどうでるかな…?
「ゔあ゙ああああ゙あああ゙ああああああ゙ああ゙ああ゙あああっ!」
ふーん、なるほど、押す、ね。
男の子は女の子を押し返して女の子を庇った。
男の子はあまりの痛みに叫び、周りには男の子から出てきた血液が付着する。
女の子は大粒の涙を目に浮かばせ、ぼろぼろと泣き崩れはじめた。
「…………っ…ヒビヤァ………ヒビヤァっ……!」
女の子は涙を流しながら何度も、ヒビヤ、ヒビヤと呟きはじめた。
へぇ。
あの男の子、ヒビヤって言うんだね。
覚えておこう。
ぐにゃり。
世界が、眩んだ。
ああ、どうやら僕も、この世界の時間軸に呑まれてしまったらしい。
僕は、意識を暗闇に放り投げた。
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