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この気持ちはどこから?
大きな拍手と喝采を浴びながら、俺達はステージに立ち尽くす。
我ながら、良い演奏だったと思う。
彼女はどうしているだろうか?
俺の歌を、俺達の音楽を、聴いてくれただろうか?
俺の、俺達の思いは、彼女に届いただろうか?
俺が物思いに耽っていた時、不意に俺の視線は、その『彼女』に吸い込まれた。
そして、俺は、覚悟を決める。
これで、最後になるかもしれない。もしかしたら、俺は一生、この事を気にしながら生きるかもしれない。
しかし、ここで行動しなければもっと後悔が大きくなるだろう。
―-言葉にするのは一瞬だ。
―-一歩前に踏み出せば、後はなるようになるだろう。
―-上手に伝える必要はない。大事なのは気持ちであって、言葉ではない。
「―-―-っ!」
まだ、歓声は止まらない。
大きく深呼吸して、心を落ち着かせる。
さあ、伝えよう。俺の気持ちを。
まっすぐ、きざらない言葉で―-
「―-俺は、お前の事が大好きだ」
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