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「そういえば俺ってエリル以外の女子を名前呼びしたことなかったかも…。」
仁はその場で考え込んだ。
「も~、じゃあこうしよう!私が勝ったらレムって呼んでね~。あとついでにいじめさせて~。」
「ちょっと待て!?後ろはおかしくないか!?」
「で、仁が勝ったらぁ…私をいじめてもいいよぉ?どうする?」
「俺になんにも得ねぇし!!」
仁はレムの頭を叩いた。
「いたぁ!?む~、暴力反対だよぉ?」
「俺も精神的な暴力は反対だ。」
仁は素早く言い返した。
「とにかく~、お前以外で呼んで~、大丈夫だよぉ、仁が勝てば自由なんだからぁ。」
「…まぁそれもそうだが。」
「じゃあ決まりぃ~!ボコボコにしてあげるからね~。」
またさらりと恐ろしいことを言った。
そしてそのままレムは走ってどこかに行ってしまった。
「…調子狂うなぁ。」
仁は上を向くと小さくつぶやいた。
「レム、か。別に呼べないわけじゃないのにな…。」
ぼんやりそんなことを思ってるとちょうどエリルの試合が終わったようだ。
結果は当然、エリルの勝利だった。
そしてすぐさま次の試合が始まる。
仁たちの番は着々と近づいてきていた。
「ま、勝てばどうしたっていいんだし、勝てばいいんだな!!」
仁は立ち上がるとまたアップをしに行った。
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