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仁は自分の姿を見て苦笑いをしていった。
カードのおかげで大きな傷はないがとにかくもうボロボロだった。
それこそ立っているのが不思議なくらいだ。
「でも、俺はまだいける。って頭では言ってるんだけど…どうにも体が持ちそうにないな…。」
「それはお互い様だよ~。だからぁ、次の一撃が最後の一撃だね~。」
レムは立ち上がり剣を構えた。
その動きを見て、仁は剣を握りなおした。
「…………。」
「…………。」
2人の間に静寂が走る。
「いくぞ!!」
「いくよぉ!!」
そして2人の声が重なり同時に走り出した。
だがしかし、それは思わぬものに妨害された。
『タイムアップ!!試合終了です!!両者、剣を収めるように。』
その場違いなアナウンスで2人の動きは静止した。
「…は?」
「えぇ~と、終わっちゃったの…かなぁ?」
あまりにも突然で拍子抜けな終わりに2人とも固まってしまった。
だが、少しして2人とも我に返り剣を収めた。
「これって勝敗はどうなるのかな?」
「たぶん~、引き分けじゃないかなぁ?」
「でも俺のほうがかなり喰らっているから俺の負けじゃないか?」
「私は~、これじゃあ勝ってもうれしくないよ~。」
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