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カリンは刀の鞘を撫でながら言った。
「可愛いんですか…。まぁその気持ちはわからないでもないですけど…。」
「そうだろう。やはり銘持ちの武器を持っているとわかるんだろうな。
あ、そう言えば二階堂くん。キミのその大剣、黒いけどもしかして銘持ちなのかい?」
カリンは仁の大剣を見ていった。
「あ、これはただの黒い剣ですよ。ただ憧れの人が黒い剣を使ってたのでちょっと真似してみました。」
「ふーん、憧れの人か。その人ってどんな人なんだ?」
「えっとですね…。」
仁は少し間をおいて話し出した。
「その人は黒い剣、黒いフードつきのコートのようなものを着て、とにかく神出鬼没でどこにでもいきなり音もなく現れるんですよ。
黒騎士って知ってますか?」
「あぁ、知っている。困っているときや助けを求めているときに現れて助けてくれるんだろう?
でもあれは噂じゃないのか?」
「俺もそうだとおもってましたよ。でも前に悪そうなやつに絡まれたときに助けてくれたんですよ。
まぁ、そのときの強さと言ったらもう台風みたいでしたよ。」
仁は懐かしそうに言った。
「まさか本当に存在するとはな…。ただの噂、都市伝説だと思ってたよ。」
「正直私もまだ信じられないですよ。やっぱり実際に会ってみないと。」
「ま、普通はそうだろうよ。でも俺は実際に会ってるからな…。」
三人は少しの間、沈黙した。
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