16人が本棚に入れています
本棚に追加
もしもさっきの台詞が、『生徒全員が、特別な能力を持っている』とかだったらかっこいいけど、残念ながら学校に湧いてるのは変態らしい。
「じゃあ、入学式があんなんだったのは…」
「ええ、そうよ。先生達も、特別な性癖を持っているの」
…終わった。俺の青春ライフは、入学式が終わってそうそう終わった。
「巧実ー? どこ行ったのー?」
その時、どこからか母さんの声が聞こえてきた。そうだ、母さんと合流するのを忘れてた。
「あ、巧実! こんなところにいたのね!」
俺の姿を見つけた母さんは、小走りで俺の元へ寄ってきた。そして、俺に告白してきた女の子を見つめて、こう言った。
「彼女さん?」
「違う」
「そうよ」
「……ん?」
母さんが困惑してんじゃねぇかよ! なんで肯定したの? 俺さっき断ったじゃん!
「この人誰?」
告白してきた女の子は、母さんを指差しながら聞いてきた。おい、母さんを指差すな。
「母さんだよ、俺の」
「なん…だと……?」
まあ、コイツが驚くのも無理ないか。なんせ母さんは、見た目がめちゃくちゃ若い。とても、高校生の子を持つ母親って感じには見えないだろう。
最初のコメントを投稿しよう!