出席番号三番

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もしもさっきの台詞が、『生徒全員が、特別な能力を持っている』とかだったらかっこいいけど、残念ながら学校に湧いてるのは変態らしい。 「じゃあ、入学式があんなんだったのは…」 「ええ、そうよ。先生達も、特別な性癖を持っているの」 …終わった。俺の青春ライフは、入学式が終わってそうそう終わった。 「巧実ー? どこ行ったのー?」 その時、どこからか母さんの声が聞こえてきた。そうだ、母さんと合流するのを忘れてた。 「あ、巧実! こんなところにいたのね!」 俺の姿を見つけた母さんは、小走りで俺の元へ寄ってきた。そして、俺に告白してきた女の子を見つめて、こう言った。 「彼女さん?」 「違う」 「そうよ」 「……ん?」 母さんが困惑してんじゃねぇかよ! なんで肯定したの? 俺さっき断ったじゃん! 「この人誰?」 告白してきた女の子は、母さんを指差しながら聞いてきた。おい、母さんを指差すな。 「母さんだよ、俺の」 「なん…だと……?」 まあ、コイツが驚くのも無理ないか。なんせ母さんは、見た目がめちゃくちゃ若い。とても、高校生の子を持つ母親って感じには見えないだろう。
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