桜の木にぶら下がるパンツ男

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「巧実とこうやって歩くのも久しぶりねー」 「そうか?」 俺たちはいま、桜の咲く坂道を登っていた。家から学校までは、徒歩10分で着く。この坂を登れば、もう学校が見えてくる。 「巧実も、ついに高校生かぁ。早いもんよね」 「ああ。そうだ…な?」 俺は目を疑った。 桜の木に、パンツ一丁でぶら下がっている男がいたからだ。 「今日もいい天気だ! パンツが疼くぜぇぇ!」 しかも、わけのわからない奇声を発している。あれは危険だ。どう考えても変態だ。角刈りだし。 「母さん、少し走ろう」 「え? ちょっと、巧実!?」 俺は、母さんの手を引いて走り出した。あんなものを母さんに見せてはいけない! 絶対に!
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