アオイハル

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―――――――――――――――――――――――――――――――― 「武田っち。ほら、漫画」 「……」 翌日、机の上に投げ出された待望の漫画本。 「もう返って来たの?」 俺の問い掛けに、村上はさらっと返事を返した。 「あー、あの子ね。いつも漫画読むのメチャクチャ早いんだわ」 ……いつも? 「いつも……貸してんだ?」 悪意はなかったハズなのに、何となく口から出た言葉が自分自身をへこませる。 「ああ、うん。いつも上村さん、借りに来るね」 「……“上杉”さん、じゃなかった?」 「あ、そうそう、そんな感じ」 村上は罪なき笑顔でニッコリ笑って自分の席に戻って行った。
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