キラキラヒカル

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週に一度の大好きなクラブの時間。 繰り広げられる歴史うんちくなんて上の空で、あたしの頭の中は戦国武将さまの肖像画が陳列されていく。 ……ええーっと、一番強いの? 最強の戦国武将って事? 今川?島津?毛利?本多? 光秀は?清正は? ちょっと待って! 信長は?秀吉も? ウンウンと唸りながら頭を抱え込む。 「オマエうるせーよ」 後ろの席に座る上級生の男子が、ガコンっとあたしの椅子を蹴りあげた。 「ご、ごめんなさい」 こんな他愛もない落書きに、どうしてこんなにも夢中になってるんだろう。 見ず知らずの人の何気無い質問に、小一時間脳ミソを捻って。 知らず知らずの内に、笑みが零れて止められなくなっていた。 「ちょ、オマエ何笑ってんの?聞こえねーじゃん」 「ご、ごめんなさい」 .
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