3600秒のセカイ

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「だろー?やっぱそう思うよな」 何だか村上は上機嫌で。 「……」 それに反比例して機嫌が悪くなっていく自分。 そんな俺の心の内なんて知る訳もなく、村上は話を続けた。 「でも、そう思ってたんだけどさー……なんか違うみたいなんだよなぁ」 「……違う、って…?」 心臓がドキンとした。 変な期待。 ずるい自分。 「いろいろ話ふろうとしても、あの子漫画の話しか乗ってこないし、なんかさ、純粋に漫画借りるのが目的なのかなって思えてきて……」 思わず顔が綻びそうになる。 親友を前に、友達甲斐のない自分に自己嫌悪。 頭の中で天使と悪魔が大論争。 何も答えられなくて、無言のまま村上の肩を叩くしか出来なかった。
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