3600秒のミライ

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“戦国武将の中で一番強いの誰?” “織田信長 かな。” 誰の机なのかも知らないで、不意に見付けた落書きにそう答えを書いてから。 あたしの学校生活は不思議と色を変えた。 週に数える程のクラブ活動の時間が待ち遠しくて、五限目が終わるチャイムを聞くだけで緊張が高まる。 “ 今日の給食のニンジングラッセ、あり得なくない? ” “ にんじん嫌いなの?あたしは大好き ” 今日も机に書かれた何気無い質問に答えを記して、勝手に頬が緩む。 「ちょっ、お前何笑ってんの?」 後ろの席の男子の視線が痛くて。 それでも、クラブの時間にこの教室に入ってこの席に着いてこの落書きを目にする一瞬が、何よりも楽しく感じていた。
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