アオイハル

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―――――――――――――――――――――――――――――――― 「ねぇ村上、昼寝するからいつもの漫画貸して?」 「……」 もうすぐ昼休みが終わる。 火曜日の午後は週に一度のクラブ活動の時間。 俺の在籍しているクラブは出席確認はおろか、活動自体しているのかも怪しいクラブで 火曜日の午後は専ら昼寝の時間と勝手に決めていた。 「武田っち、昼寝すんのに何で漫画がいる訳ー?」 「……いいでしょ、別に」 夜は勿論、例え昼寝であろうとも寝る前に何か楽しい本を読まなければ眠れない。 小さな頃からの癖。 じゃないと、怖い夢を見るから。 村上とは親友と呼べるくらいの間柄だけれど、故にそんな幼稚な癖は話せない。 絶対に知られたくない。 「貸したいのはやまやまなんだけどさ。あの漫画貸しちゃった」
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