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今日から高校生の雪。入学式にふさわしい天気だった。桜は満開で爽やかな風が吹き、ぽかぽかと気持ちのいい日ざしがふんわりと降り注いでいた。
「今日から高校生かぁ…。友達できるかな。」
そんな不安が入り混じりながらも雪はやはりどこか嬉しそうにこれから通う高校への道を歩いていた。
「本当に気持ちのいい…。ってあれ?こんなところに公園なんかあったんだ~。」
桜吹雪が舞っている小さな古ぼけた公園だった。
「こんなところにくる人いるのかな?っと人がいる。同じ制服だから先輩かな?」
雪はゆっくりと近づいていった。
(わぁ…。キレイな男の子…)
まつ毛は長く鼻筋も通っていて髪の毛は太陽に照らされ金色に輝いていた。さらに周りの桜吹雪のおかげで雪はどこかおとぎ話の世界に迷い込んだ気持ちになった。
「んぅ…。…君だれ?」
「えっ?あっ!えっと…」
「うん。だから誰?もしかして寝込みでも襲いにきた?」
「私の名前は雪です。…っては?寝込みを襲う?誰が誰に?もしかしてあたしがあなたに?」
「それ以外に誰がいるんだよ。お前バカじゃないの?」
「何でそんな知らない人に言われなきゃいけないんですか?」
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